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ITエンジニアが農業を副業にする理由|ブルーベリー農家との兼業は成立するのか

「ITエンジニアとして働きながら、農業もできないだろうか」

パソコンに向かうITエンジニアと、屋外で体を動かす農家は、正反対の仕事に見えるかもしれません。

しかし、リモートワーク、早朝の農作業、Webを活用した集客、予約システムやネット決済による省力化を組み合わせると、ITエンジニアと農業は意外に相性のよい働き方です。

さらに、システム開発だけでなく、プロジェクトマネージャーとしての経験も農園経営に活かせます。

農業には、作物の成長に合わせて「いつまでに何をするか」を決めるスケジュール管理があります。作業を人に依頼する場合には、人員配置、外注費、設備費などを考える必要があります。天候や病害虫、設備故障などのリスクも想定しなければなりません。

このように考えると、農園経営は単なる栽培作業ではなく、期限・予算・人員・品質・リスクを管理する長期プロジェクトともいえます。

結論からいえば、ITエンジニアとブルーベリー農家の兼業は、条件を整えれば十分に成立する可能性があります。

ただし、リモートワークだから簡単に両立できるわけではありません。

農作業の年間スケジュールを整理し、作業量を把握したうえで、ITで省力化できる部分、人に任せる部分、自分で対応する部分を分けることが重要です。

この記事では、ITエンジニアが農業を副業にするメリットと、ブルーベリー農家との兼業を成立させるための条件を考えます。

ITエンジニアと農業は意外に相性がよい

ITエンジニアと農業の兼業が成立しやすいと考える理由は、主に次のとおりです。

  • リモートワークなら地方でも仕事を続けられる
  • 早朝や夕方に農作業を進められる
  • エンジニア収入を維持しながら農園を育てられる
  • ホームページや予約システムを自分で構築できる
  • 集客、予約、決済、顧客管理を自動化できる
  • プロジェクト管理の経験を農園経営に活かせる
  • 農園運営をデータで改善できる

農業を副業として始める場合、休日だけ畑へ行けばよいわけではありません。

作物の状態は毎日変化します。水やり、草刈り、剪定、防鳥対策、収穫など、適切な時期に実施しなければならない作業があります。

一方で、ITエンジニアは業務内容によっては出勤場所を固定されにくく、通勤時間を削減できます。

通勤に使っていた時間を農作業や農園の確認に充てられることは、農業との兼業を考えるうえで大きな利点です。

リモートワークなら農地の近くで仕事ができる

農業を始めるうえで大きな問題になるのが、農地と仕事場の距離です。

都市部のオフィスへ毎日出勤しながら、離れた農地を管理するのは簡単ではありません。通勤前後に農地へ立ち寄るだけでも、かなりの移動時間が発生します。

しかし、フルリモートまたはリモート中心のIT案件であれば、農地の近くに住みながらエンジニアの仕事を続けられます。

例えば、次のような働き方が考えられます。

5:30〜7:30 農園の確認・潅水・草刈り・収穫
7:30〜9:00 朝食・エンジニア業務の準備
9:00〜18:00 ITエンジニアとして勤務
18:00以降 農園の確認・予約状況の整理

毎日2時間の農作業が必要とは限りません。

問題がなければ、潅水設備や樹の状態を確認するだけで終わる日もあります。一方で、剪定、草刈り、収穫、防鳥ネットの設置など、まとまった時間が必要な作業もあります。

重要なのは、リモートワークによって農作業が簡単になることではありません。

通勤時間を減らし、農園の近くにいられることで、農業に必要な時間を確保しやすくなることが大きな利点です。

早朝の時間を農作業に使える

ITエンジニアの業務は、一般的には日中の時間帯が中心です。

そのため、始業前の早朝を農作業に使える可能性があります。

特に夏場は、気温が上がる前の早朝に作業することで、体への負担を抑えやすくなります。

早朝には、次のような作業が考えられます。

  • 樹や果実の状態確認
  • 潅水設備の点検
  • 収穫
  • 落果や鳥獣被害の確認
  • 軽い草刈り
  • 観光農園の営業準備

ただし、リモートワークであっても、勤務時間中に自由に農作業ができるわけではありません。

会議、顧客対応、納期、障害対応などがあるため、エンジニア業務と農作業の時間は明確に分ける必要があります。

「リモートだから仕事の途中で農業ができる」という考え方ではなく、通勤がない分、始業前と終業後の時間を有効に使えると考えるほうが現実的です。

農園経営は一つのプロジェクトに近い

農業には、土を耕して作物を育てる仕事というイメージがあります。

しかし、実際に農園を運営する場合は、栽培以外にも多くの管理業務が発生します。

  • 年間作業のスケジュール作成
  • 必要な資材や設備の調達
  • 作業時間と人員の見積もり
  • 外注先やスタッフへの依頼
  • 予算と実績の管理
  • 品質の確認
  • 天候や設備故障への備え
  • 販売計画と集客
  • 売上や来園者数の分析

これらは、システム開発におけるプロジェクトマネジメントと共通する部分があります。

農園を一つのプロジェクトとして捉えると、PM経験をさまざまな場面で活かせます。

農業にも期限とマイルストーンがある

システム開発では、要件定義、設計、開発、テスト、リリースといった工程を整理し、期限を設定します。

農業にも同じように、時期を逃せない作業があります。

ブルーベリー農園であれば、年間を通して次のような作業が発生します。

  • 苗木の植え付け
  • 剪定
  • 施肥
  • 防鳥ネットの設置
  • 草刈り
  • 潅水設備の確認
  • 収穫
  • 観光農園の営業準備
  • 営業終了後の片付け
  • 翌年に向けた改善

農作業は、好きなタイミングで実施できるとは限りません。

剪定が遅れれば樹の生育に影響する可能性があります。防鳥対策が遅れれば、収穫前の果実を鳥に食べられるかもしれません。収穫期までに予約受付や駐車場の準備が終わっていなければ、観光農園として営業できません。

そこで、収穫期を一つの大きなマイルストーンとして、そこから逆算してタスクを整理します。

収穫開始
 ↑
予約受付開始
 ↑
料金・営業日・定員の決定
 ↑
予約システムと決済の準備
 ↑
ホームページの更新
 ↑
園内整備・防鳥対策・設備点検

これは、システムのリリース日から逆算して開発計画を立てることと似ています。

「いつか対応する」のではなく、いつまでに、何を、誰が完了させるかを明確にすることが、農業でも重要になります。

農作業をタスクへ分解できる

大きな作業をそのまま管理すると、何から始めればよいか分かりにくくなります。

例えば、「観光農園を開園する」という目標だけでは、具体的な行動に移せません。

そこで、必要な作業を細かく分解します。

観光農園を開園する
├─ 営業日と営業時間を決める
├─ 料金体系を決める
├─ 予約方法を決める
├─ 決済方法を決める
├─ 駐車場を整備する
├─ 受付場所を準備する
├─ 園内ルールを決める
├─ ホームページを更新する
├─ Googleマップの情報を整備する
├─ 防鳥ネットを設置する
└─ 当日の受付手順を作る

プロジェクト管理の経験があれば、大きな目標を実行可能なタスクへ分解し、優先順位を付ける考え方を農園運営にも応用できます。

すべてを同時に始めるのではなく、前後関係を確認しながら進めることで、手戻りを減らせます。

人にお願いする場合はリソース管理が必要になる

農園の規模が大きくなると、すべての作業を一人で対応するのは難しくなります。

特に、草刈り、防鳥ネットの設置、収穫期の受付、駐車場案内などは、特定の時期に作業が集中します。

その場合は、家族、アルバイト、地域の協力者、外部事業者などに依頼することになります。

ここで必要になるのが、リソース管理です。

  • どの作業を自分で担当するか
  • どの作業を人に依頼するか
  • いつ、何人必要になるか
  • 必要なスキルや経験は何か
  • 作業内容をどのように伝えるか
  • 進捗や完了をどう確認するか

例えば、自分にしかできない作業と、ほかの人でも対応できる作業を分けます。

自分で対応する作業
・栽培方針の判断
・予約システムの管理
・料金や営業方法の決定
・売上やデータの分析

人に依頼しやすい作業
・草刈り
・園内清掃
・受付補助
・駐車場案内
・資材の運搬

重要なのは、自分が忙しくなってから慌てて人を探すのではなく、繁忙期を予測して事前に人員を確保することです。

これは、開発プロジェクトで必要なエンジニアやデザイナーの人数を見積もり、適切な時期にアサインすることと共通しています。

外注費と設備費を考えるコスト管理

人に作業を依頼すれば、人件費や外注費が発生します。

一方、自分ですべて対応しようとすると、エンジニア業務に使える時間や、家族と過ごす時間が減ります。

そのため、単純に「外注すると費用がかかる」と考えるのではなく、自分の時間もコストとして考える必要があります。

例えば、草刈りに毎月10時間かかる場合、次の選択肢があります。

  • 自分で10時間かけて作業する
  • 外部へ草刈りを依頼する
  • 防草シートなどの設備へ投資する
  • 草刈りの頻度を減らせる運営方法を考える

外注費だけでなく、設備への投資によって将来の作業時間を減らせるかも検討します。

観光農園の場合は、次のような費用も発生します。

  • 苗木や肥料
  • 潅水設備
  • 防鳥ネット
  • 草刈り機
  • 駐車場整備
  • トイレや休憩設備
  • ホームページの維持費
  • 予約システムの利用料
  • 決済手数料
  • 広告費
  • 繁忙期の人件費

PMとして予算を管理した経験があれば、初期費用だけを見るのではなく、運用費、保守費、外注費を含めた総コストを考えられます。

「最も安い方法」を選ぶのではなく、時間、品質、継続性を含めて費用対効果を判断することが重要です。

農業にもリスク管理が必要になる

システム開発では、遅延、障害、仕様変更、人員不足などのリスクを想定します。

農業にも、さまざまなリスクがあります。

  • 高温や大雨
  • 強風
  • 渇水
  • 病害虫
  • 鳥獣被害
  • 潅水設備の故障
  • 収穫量の不足
  • 予約の集中
  • 来園者のキャンセル
  • スタッフの欠勤
  • エンジニア案件の繁忙期との重複

すべてのリスクを完全に防ぐことはできません。

重要なのは、問題が発生してから考えるのではなく、事前に影響と対応方法を整理することです。

例えば、潅水設備の故障であれば、次のように考えます。

リスク:夏場に潅水設備が停止する
影響:樹が水不足になる
予防:設備を定期点検する
検知:水圧や流量を確認する
対応:予備部品と手動散水の手段を用意する

観光農園の予約が想定以上に集中する場合も、時間帯ごとの定員を設定し、満席時には自動で受付を停止する仕組みを用意できます。

プロジェクト管理で使うリスク管理の考え方は、農園経営でもそのまま活用できます。

エンジニア収入を維持しながら農園を育てられる

果樹農業は、苗を植えた翌年からすぐに十分な売上が発生するとは限りません。

樹が成長し、安定した収穫量を得られるまでには時間がかかります。

観光農園として営業する場合は、果実の収量だけでなく、駐車場、受付、トイレ、休憩場所、予約受付、集客方法なども準備しなければなりません。

農業収入だけで生活しようとすると、農園が成長するまでの期間が大きな負担になります。

一方、ITエンジニアとして一定の収入を確保できれば、生活費を農業収入だけに依存せず、段階的に農園へ投資できます。

例えば、次のような進め方です。

  1. 小規模な農地で栽培を始める
  2. 年間の作業時間を記録する
  3. 収穫量と品質を確認する
  4. 少量の直売を始める
  5. 予約制の収穫体験を試験的に実施する
  6. 来園者数を見ながら設備を拡張する
  7. 運営が安定してから農園の規模を広げる

最初から大規模な観光農園を作るのではなく、小さく始めて検証しながら改善する方法は、システム開発におけるMVPの考え方にも近いものがあります。

なぜブルーベリー農園なのか

兼業農業の作物として、ブルーベリーが唯一の正解というわけではありません。

地域の気候、農地の状態、栽培方式、販路によって、適した作物は異なります。

それでもブルーベリー観光農園には、ITエンジニアとの兼業を考えるうえで興味深い特徴があります。

観光農園では、来園者自身に果実を摘んでもらう運営方法を採用できます。

通常の出荷型農業では、農家が収穫し、選別し、パック詰めし、出荷先まで届ける必要があります。

観光農園であっても、園内整備、受付、案内、安全管理、予約管理などは必要です。

それでも、すべての果実を農家が収穫して出荷する方法とは、作業の構造が異なります。

また、ブルーベリー狩りでは、果実そのものだけでなく、次のような体験価値を提供できます。

  • 複数品種の食べ比べ
  • 家族で楽しめるレジャー
  • 写真を撮りたくなる農園づくり
  • カフェや休憩スペース
  • ジャムや冷凍果実などの加工品
  • 地域の飲食店や観光施設との連携

果実を販売するだけでなく、体験、空間、地域性を含めてサービスを設計できる点は、ITエンジニアやPMの経験を活かしやすい部分です。

ホームページを自分で作れる

観光農園では、ホームページが重要な集客経路になります。

来園を検討している人は、事前に次の情報を確認します。

  • 営業期間
  • 営業時間
  • 料金
  • 予約方法
  • 食べ放題か量り売りか
  • 持ち帰り料金
  • 駐車場の有無
  • 子ども連れでも利用できるか
  • 雨天時の営業
  • 現在食べられる品種
  • 農園までのアクセス

ITエンジニアであれば、自分でホームページを構築し、収穫状況や営業情報をすぐに更新できます。

さらに、検索エンジンからの集客を意識した記事も掲載できます。

例えば、次のようなキーワードです。

地域名 ブルーベリー狩り
地域名 観光農園
地域名 子ども お出かけ
ブルーベリー狩り 予約
ブルーベリー狩り 持ち帰り

Web制作やSEOの知識は、ITエンジニアが農業へ持ち込める大きな強みです。

予約システムで受付業務を省力化できる

電話やメールだけで予約を受け付けると、次のような業務が発生します。

  • 希望日時を確認する
  • 空き状況を確認する
  • 予約内容を台帳へ転記する
  • 予約確定の連絡をする
  • 前日に確認連絡をする
  • キャンセル時に予約枠を戻す
  • 定員に達した時間帯の受付を止める

予約件数が少ないうちは対応できますが、来園者が増えるほど管理が複雑になります。

そこで、ホームページと予約システムを連携します。

観光農園向けの予約システムには、次のような機能が考えられます。

  • 日付・時間帯ごとの定員設定
  • 大人・子どもの人数入力
  • 残り予約枠の表示
  • 満席時の自動受付停止
  • 予約完了メールの自動送信
  • 前日のリマインド通知
  • キャンセル受付
  • 管理者向け予約一覧
  • CSV出力
  • 売上や来園者数の集計

予約者が自分で日時と人数を選び、定員以内であれば自動で予約を確定できるようにすれば、電話対応や転記作業を減らせます。

ネット決済で当日の会計を減らせる

予約時にクレジットカードなどで事前決済できるようにすれば、当日の受付業務を簡略化できます。

例えば、次のような流れです。

  1. 来園者が日時と人数を選択する
  2. 予約画面で料金を確認する
  3. クレジットカードで事前決済する
  4. 予約完了メールが自動送信される
  5. 当日は予約情報を確認して入園する

事前決済により現金の受け渡しを減らせるほか、無断キャンセルを抑えやすくなる可能性もあります。

一方で、天候不良による営業中止、人数変更、キャンセル期限、返金条件などを決める必要があります。

ここでも、単に決済機能を導入するだけではなく、例外時の業務フローまで設計するPM的な視点が必要です。

農園経営をデータで改善できる

ITエンジニアの強みは、業務をシステム化することだけではありません。

農園で発生する情報を蓄積し、経営判断に使える形へ整理できます。

例えば、次のデータを記録できます。

  • 品種ごとの収穫量
  • 日付ごとの来園者数
  • 時間帯ごとの予約数
  • 客単価
  • 持ち帰り量
  • キャンセル率
  • リピーター率
  • 気温や降水量
  • 潅水の実施記録
  • 肥料や資材の使用量
  • 広告媒体ごとの予約数
  • ホームページのアクセス数
  • 作業ごとの所要時間

作業時間も記録すれば、どこに多くの時間がかかっているかを確認できます。

例えば、毎月の予約整理に10時間かかっているのであれば、予約システムを導入する効果を計算できます。

草刈りに多くの時間がかかっているのであれば、外注や防草対策を検討できます。

システム開発における振り返りや改善活動と同じように、農園でもデータを使って次のシーズンを改善できます。

ITを使っても農作業そのものはなくならない

予約システムやAIを導入しても、農作業そのものがなくなるわけではありません。

ブルーベリー農園では、次のような現場作業が発生します。

  • 苗木の植え付け
  • 潅水設備の確認
  • 施肥
  • 剪定
  • 草刈り
  • 防鳥対策
  • 病害虫の確認
  • 収穫
  • 園内の清掃
  • 設備の補修
  • 来園者の受付と案内

ITで省力化しやすいのは、予約、決済、顧客管理、集計、情報発信などの事務作業です。

栽培管理や現場対応については、自分で作業するか、家族やスタッフ、地域の協力者と役割を分担する必要があります。

IT導入の目的は、農作業を完全になくすことではありません。

人が対応しなくてもよい作業を減らし、人にしかできない仕事へ時間を使える状態を作ることです。

兼業を成立させるなら完全予約制が有力

ITエンジニアと観光農園を兼業する場合、毎日自由に来園できる営業形態よりも、営業日と人数を限定した完全予約制が適しています。

例えば、次のような営業方法です。

営業日:土曜日・日曜日
営業時間:9:00〜15:00
予約枠:1時間単位
各時間帯の定員:5組
予約方法:Web予約
支払い方法:予約時の事前決済

完全予約制にすれば、事前に来園者数を把握できます。

来園者数に合わせて受付スタッフを配置し、収穫できる量を確認しながら予約枠を調整できます。

これは、プロジェクトの作業量に応じて必要な人員を配置するリソース管理と同じ考え方です。

平日は栽培管理とエンジニア業務に集中し、土日だけ観光農園を開く設計もできます。

最初から独自システムを作る必要はない

ITエンジニアであれば、予約システムや顧客管理システムを自分で作りたくなるかもしれません。

しかし、農園を始めた直後は、必要な機能や運用方法がまだ固まっていません。

最初から多機能なシステムを開発すると、実際には使わない機能を作ってしまう可能性があります。

初期段階では、次のような既存サービスを組み合わせる方法があります。

  • WordPressなどによるホームページ
  • 既存の予約受付サービス
  • オンライン決済サービス
  • Googleフォーム
  • Googleスプレッドシート
  • LINE公式アカウント
  • クラウド会計ソフト

実際に営業しながら課題を確認し、予約管理や顧客管理に限界を感じた段階で独自システムを作るほうが、無駄の少ない開発になります。

これは、要件が固まっていない段階で大規模なシステムを作らず、まず小さく検証するシステム開発と同じです。

半農半ITは二つの仕事を持つだけではない

ITエンジニアと農業の兼業は、単に二つの収入源を持つという話だけではありません。

ITの知識を農業へ持ち込み、農業現場で得た課題をシステム開発へ持ち帰ることができます。

例えば、自分の農園で作った仕組みが、将来的に次のようなサービスへ発展する可能性もあります。

  • 観光農園向け予約管理システム
  • 収穫量と来園者数の予測システム
  • 農作業タスク管理ツール
  • 潅水や気象データの管理システム
  • LINEを活用した来園者への自動案内
  • 農園向けAIチャットボット
  • 小規模農家向けの売上・顧客管理システム

農業現場の課題を自分で経験することで、想像だけでは作れない実用的なシステムを開発できます。

PM経験があれば、現場の要望をそのまま機能にするのではなく、業務を整理し、本当に解決すべき課題を見極められます。

ITエンジニアが農業を始めるなら小さく検証する

ITエンジニアが農業を副業にする場合、最初から会社を辞めて農業一本に絞る必要はありません。

次のように段階的に検証できます。

第1段階:栽培を経験する

まずは小規模に栽培し、年間を通してどのような作業が必要になるかを確認します。

第2段階:作業時間と費用を記録する

草刈り、剪定、潅水、収穫などにかかった時間と費用を記録し、本業と両立できる規模を把握します。

第3段階:少量販売を試す

直売や知人への販売を通じて、価格、品質、梱包、顧客の反応を確認します。

第4段階:小規模な収穫体験を実施する

営業日と人数を限定し、予約制で収穫体験を実施します。

第5段階:運営業務を仕組み化する

予約、決済、顧客管理、売上集計、案内メールなど、繰り返し発生する業務を自動化します。

第6段階:ボトルネックへ投資する

作業時間や来園者データを分析し、負担の大きい作業に対して設備投資、外注、システム化を実施します。

この進め方であれば、農業に必要な時間と収益性を確認しながら規模を広げられます。

ITエンジニアとブルーベリー農家の兼業は成立するのか

ITエンジニアとブルーベリー農家の兼業は、条件を整えれば成立する可能性があります。

特に相性がよいと考えられるのは、次のようなエンジニアです。

  • フルリモートまたはリモート中心で働ける
  • 農地の近くに住める
  • 始業前の時間を確保できる
  • 残業や休日対応の少ない案件を選べる
  • Web制作やシステム開発ができる
  • タスクやスケジュールの管理ができる
  • 予算や外注費を管理できる
  • 人へ作業を依頼し、進捗を確認できる
  • 農園を小規模から始められる
  • 繁忙期に協力してくれる人がいる

一方、常に長時間労働が発生する案件、出社が多い仕事、突発対応の多い仕事と農業を組み合わせるのは難しくなります。

兼業を成功させる鍵は、気合で作業量を増やすことではありません。

作業を整理し、自分で対応する部分、人に依頼する部分、システムに任せる部分を分けることです。

ITエンジニアとPM経験を活かした新しい農園の形

ITエンジニアが農業をする価値は、ホームページや予約システムを作れることだけではありません。

PMとして身につけた、計画、調整、コスト管理、リソース管理、リスク管理、改善の考え方も農園経営に活かせます。

例えば、次のような農園です。

  • 年間の農作業がタスクとして整理されている
  • 収穫期から逆算して準備が進められている
  • 作業量に応じて人員が配置されている
  • 外注費や設備費が管理されている
  • 完全予約制で来園者数を調整できる
  • Web上で残り予約枠が分かる
  • 予約時に事前決済できる
  • 当日の収穫状況がホームページで分かる
  • 来園前にLINEやメールで案内が届く
  • 収穫量や来園者数をデータで分析できる
  • シーズン終了後に振り返りと改善を行う

このような仕組みは、大規模な農業法人だけのものではありません。

小規模な観光農園でも、必要な機能と管理方法に絞れば実現できます。

まとめ

ITエンジニアとブルーベリー農家は、正反対に見えて、実は共通点の多い組み合わせです。

リモートワークによって農地の近くで働き、早朝や休日に農作業を行いながら、ホームページ、予約システム、ネット決済、顧客管理などを自分で構築できます。

さらに、PM経験も農園経営に活かせます。

農園では、収穫時期から逆算して作業を計画し、タスクを整理し、必要な人員や予算を確保し、天候や設備故障などのリスクへ備える必要があります。

これは、システム開発プロジェクトの運営とよく似ています。

兼業を成立させるためのポイントは、次の4つです。

  1. リモートワークと農作業の時間を明確に分ける
  2. 収穫期から逆算して年間タスクを管理する
  3. 自分・外注・システムの役割を分ける
  4. 小規模かつ完全予約制で検証する

ITを導入しても、農作業そのものはなくなりません。

しかし、予約、決済、集客、顧客管理、集計などを省力化し、計画的に人や予算を配置することで、限られた時間でも農園を運営しやすくなります。

私はITエンジニアやPMとしての経験を活かしながら、ブルーベリー農園との兼業に向けた準備を進めています。

農業を単なる副業として考えるのではなく、ITとプロジェクトマネジメントを活用して、無理なく継続できる農園経営の形を作っていきたいと考えています。

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